2015年04月27日
代表総括 全文掲載
代表 牛木です。
昨日、まなびばおきなわの2014年度
『総まとめ会』 が執り行なわれました。
一年の「まなび」を生徒それぞれが振り返り発表するものです。
五人の生徒が各々のやり方で発表しましたが、それぞれが期待値以上のパフォーマンスを見せ、我々は終始涙腺崩壊状態でした。
そして、その内三人が卒業致しました。
卒業生には、私の送辞が長々と書かれた、一風変わった卒業証書を渡しましたが、人生の節目や、岐路に立たされた時、また、ピンチになった時
に振り返ってくれると嬉しいなぁ~なんて思っています。
式には、来賓として、仲村マリエ様をはじめとする、植松努氏沖縄講演会のプロジェクトチームの皆さんと、浦添No.1人気塾 アサノジュクの塾長 浅野様にご列席いただきました。
また、仲村マリエ様からは、講演会の収益金をご寄付いただきました!お忙しい中、本当にありがとうございました。
代表総括をするために文章を作りました。手元に持ってはいたんですが如何せん練習不足、時間が足らずの完成度の低さで、7割程度しか話せなかったと思うんですが、私自身がこの一年間を振り返っての文章なので、ここに全文を載せたいと思います。
まなびばおきなわと、私自身を理解していただく助けになるかと。
大事な、それも非常にデリケートな状態のお子様を、我々に預ける保護者の皆様の参考になれば幸いです。
長文失礼致します。
総まとめ会(卒業式)
代表 総括 (全文掲載)
本日はお忙しい中、2014年度のまなびばおきなわ 総まとめ会にご列席いただきまして、誠にありがとうございます。本日を持ちまして、二年目が無事終了致しました。
先ほど発表があったように、今春は、二名の生徒が志望高校に入学致しました。また、一名の生徒が大学受験を視野に入れることで卒業を決め、合計三名の卒業となります。また、12月に三週間まなびばで過ごした長野のA君も、今春無事に長野県内の私立中学校に入学したと報告を受けており、大変嬉しい春を迎えることが出来ました。
2014年度も子ども達にポテンシャルの高さを見せつけられ、私たち自身が多くを学んだ年になりました。本当に、子どもだから・・・という手加減は必要ないとあらためて思います。子どもだから・・・という言葉は、私たち大人が、自分たちへの手加減のための言葉だと思っています。子どもだから・・・という言葉でレベルを下げる方が楽だからです。手抜きやサボりはすぐにばれるので、気をつけないといけないなと思っています。
私の今期一番の学びというか、反省は、急ぎ過ぎたことです。実は今日、本当はもう一人の生徒とそのご家族がここにいるはずでした。残念ながら、大変不本意な形でまなびばをお辞めになったので、本日いらっしゃっておりません。
私が彼に求めたもの、彼に改善してほしくて言っていたことは、今でも、間違いではなかったと思っておりますが、スピードを見誤りました。
彼には速過ぎたのです。
もっと彼のペースを尊重しておけばよかったと心から反省しております。
私たちに与えられている時間には限りがあります。その限られた時間で、どれだけ想いを伝えられるかが、当初からの悩みです。アドラー心理学でいうところの、「課題の分離」 という概念を学んだことによって、随分楽にはなりましたが、悩みが無くなった訳ではありません。そして限られた時間と思うと、どうしても急いでしまいます。多くを伝えようと思うあまり、失敗しました。
今回の件を私の恩師、セルフラーニングという概念を教えてくれた堺先生に話しました。堺先生に出会わなければ、セルフラーニングを知らなければ、まなびばおきなわは誕生していなかった、という重要人物です。
その話をすると先生は、
「その子にとって、何がプラスになって、何がマイナスになるのかなんて、誰もわからないんだから、ほっとけばいいのよ!
教育なんてすぐ結果が出る訳じゃないんだし、結局やるのは本人だしね。
信じたことを誠実にやるのみで、牛木さんたちは学んでるんでしょ?
それでいいんじゃない!」
と、非常に堺先生らしいお言葉をいただきました。
先生の言葉には非常に重要なことが二つ含まれています。
一つは、何がプラスになるか誰もわからない(本人でさえも)ということ。
もう一つは、やるのは本人だから・・・ということ。
私たちがいいだろうと思ってることが、本当に良いかどうかなんて、その時点では誰もわからない。
そう、これが私たちにとって非常に悩ましく、難しいとこです。
これは本人にとってもそうなんだと思います。
人生において、何が正しくて何が正しくないかは、今この瞬間にわかるものではありません。
目の前に選択があって、どちらを選ぶか、何を選ぶかだと思います。そして、その選択が正しいか正しくないかではなく、自分の選択が正しかったと思えるように努力する、学んでいくのみだと思います。自分で、自分の選択を正解にしていくのです。ここに関しては、コロンビア大学白熱教室(NHK Eテレ)シーナ・アイエンガー教授の「選択の科学」をぜひご覧になってください。非常に役に立つ考え方の講義です。
例えば、不登校になり、学校に行けなかった、行かなかったことが正しくなかったと思っていれば、それは正しくないんでしょう。でも、まなびばに来たことにより、人生の早い段階で自分に向き合い、どの様に生きて行きたいかを考え、自分の人生の主役として、自分の選択を信じ、また選択が正解だったと思えるように努力すること。挑戦して道を(未知)切り開いていくことが出来るようになることが大事で、私たちの生徒はそうであると信じていますし、現に本日卒業の三人は、自分の選択を正解にした、三人です。
そして、「やるのは本人であって、私たちではない」
イギリスのことわざで、よく教育論に持ち出されるのが
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.
私たちが出来ることはそう多くはありません。本日卒業の三人も、頑張ったのは本人で私たちではありません。もちろんサポートは目いっぱいしたつもりですが。
そう、教育って、『共育』なんだと思います。まなびばおきなわは、教えている意識は非常に少ないです。『一緒に学んでいる』 が一番正しい。これは子育てをしたお父さん、お母さんは実感してらっしゃるんじゃないですか?我々はとても多くのことを子どもたちから学んでいます。そして、これは「ピアエデュケーション」とも通じる考え方だと思います。
この『共育』という言葉は、今ちょうど桜坂劇場でやっているサムライフの原作者、長岡さんが提唱している言葉です。長岡さんは、長野にある侍学園というフリースクールの理事長で、私たちは直接親交があります。全国のフリースクールの中で、今一番注目を浴びている学校でしょう。侍学園自体が認定NPO法人です。まなびばが見習うべきことがたくさんある学校です。
ここで少し、フリースクールを取り巻く現状について触れておきたいと思います。詳細の一部は、今年度、昨年度と、琉球大学の学生さんが、卒論として沖縄のフリースクールについて調べた論文がありますので、参照してください。
昔に比べると、フリースクールという言葉自体はかなり市民権を持ちました。ただ、一般の学校とは程遠い、あくまでも一般の学校のサポート、おまけ的な扱いです。幸いなことに、文科省の提言を受けて、フリースクールに関しての予算が付きましたし、フリースクールの出席を、在籍学校の出席としてくれます。まなびばで言うと、定期テストもまなびばで受けることが出来ます。しかしながら、公教育とは認められていないため、行政の援助を受けて運営出来ないので、どこのフリースクールの運営も厳しいものです。
まなびばも、問い合わせはかなりの数に上りますが、学費を理由に断念する方も多く、非常に悩ましいです。実際、我々2人のお給料もきちんと出ず、子どもたちと新しいことをするにも予算的に厳しいものがあるので、今年中にNPO法人化して、企業や行政の援助を受け、一人でも多くの子どもが通えるようにしたいと思っております。
さて、最後にある記事をご紹介しながら、まとめにしたいと思います。
いばや通信 坂爪圭吾氏のブログ 参照
http://ibaya.hatenablog.com/entry/2015/04/25/113118
この記事の走る→学ぶに換えてみてください。
そして、まなびばおきなわは、子どもたちにとっての、この記事に出てくる高橋尚子選手のようでありたいと思っています。
『まなびばおきなわ』 がやりたいことは、学ぶことの楽しさを伝えることであり、競争ではなく、比べることではなく、人生の主役として、いかに生きるかを考えてもらうことであり、しんどいけれど、自分に向き合い、
昨日の私より今日の私の方が素敵
と思ってもらうことであり、寄り添って歩くことであり、崖から落っこちそうになったら手を引くことであり、共に学ぶことです。
来年度も引き続き頑張って参りますので、変わらずの叱咤激励、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。これにて私の総括を終えたいと思います。ありがとうございました。
昨日、まなびばおきなわの2014年度
『総まとめ会』 が執り行なわれました。
一年の「まなび」を生徒それぞれが振り返り発表するものです。
五人の生徒が各々のやり方で発表しましたが、それぞれが期待値以上のパフォーマンスを見せ、我々は終始涙腺崩壊状態でした。
そして、その内三人が卒業致しました。
卒業生には、私の送辞が長々と書かれた、一風変わった卒業証書を渡しましたが、人生の節目や、岐路に立たされた時、また、ピンチになった時
に振り返ってくれると嬉しいなぁ~なんて思っています。
式には、来賓として、仲村マリエ様をはじめとする、植松努氏沖縄講演会のプロジェクトチームの皆さんと、浦添No.1人気塾 アサノジュクの塾長 浅野様にご列席いただきました。
また、仲村マリエ様からは、講演会の収益金をご寄付いただきました!お忙しい中、本当にありがとうございました。
代表総括をするために文章を作りました。手元に持ってはいたんですが如何せん練習不足、時間が足らずの完成度の低さで、7割程度しか話せなかったと思うんですが、私自身がこの一年間を振り返っての文章なので、ここに全文を載せたいと思います。
まなびばおきなわと、私自身を理解していただく助けになるかと。
大事な、それも非常にデリケートな状態のお子様を、我々に預ける保護者の皆様の参考になれば幸いです。
長文失礼致します。
総まとめ会(卒業式)
代表 総括 (全文掲載)
本日はお忙しい中、2014年度のまなびばおきなわ 総まとめ会にご列席いただきまして、誠にありがとうございます。本日を持ちまして、二年目が無事終了致しました。
先ほど発表があったように、今春は、二名の生徒が志望高校に入学致しました。また、一名の生徒が大学受験を視野に入れることで卒業を決め、合計三名の卒業となります。また、12月に三週間まなびばで過ごした長野のA君も、今春無事に長野県内の私立中学校に入学したと報告を受けており、大変嬉しい春を迎えることが出来ました。
2014年度も子ども達にポテンシャルの高さを見せつけられ、私たち自身が多くを学んだ年になりました。本当に、子どもだから・・・という手加減は必要ないとあらためて思います。子どもだから・・・という言葉は、私たち大人が、自分たちへの手加減のための言葉だと思っています。子どもだから・・・という言葉でレベルを下げる方が楽だからです。手抜きやサボりはすぐにばれるので、気をつけないといけないなと思っています。
私の今期一番の学びというか、反省は、急ぎ過ぎたことです。実は今日、本当はもう一人の生徒とそのご家族がここにいるはずでした。残念ながら、大変不本意な形でまなびばをお辞めになったので、本日いらっしゃっておりません。
私が彼に求めたもの、彼に改善してほしくて言っていたことは、今でも、間違いではなかったと思っておりますが、スピードを見誤りました。
彼には速過ぎたのです。
もっと彼のペースを尊重しておけばよかったと心から反省しております。
私たちに与えられている時間には限りがあります。その限られた時間で、どれだけ想いを伝えられるかが、当初からの悩みです。アドラー心理学でいうところの、「課題の分離」 という概念を学んだことによって、随分楽にはなりましたが、悩みが無くなった訳ではありません。そして限られた時間と思うと、どうしても急いでしまいます。多くを伝えようと思うあまり、失敗しました。
今回の件を私の恩師、セルフラーニングという概念を教えてくれた堺先生に話しました。堺先生に出会わなければ、セルフラーニングを知らなければ、まなびばおきなわは誕生していなかった、という重要人物です。
その話をすると先生は、
「その子にとって、何がプラスになって、何がマイナスになるのかなんて、誰もわからないんだから、ほっとけばいいのよ!
教育なんてすぐ結果が出る訳じゃないんだし、結局やるのは本人だしね。
信じたことを誠実にやるのみで、牛木さんたちは学んでるんでしょ?
それでいいんじゃない!」
と、非常に堺先生らしいお言葉をいただきました。
先生の言葉には非常に重要なことが二つ含まれています。
一つは、何がプラスになるか誰もわからない(本人でさえも)ということ。
もう一つは、やるのは本人だから・・・ということ。
私たちがいいだろうと思ってることが、本当に良いかどうかなんて、その時点では誰もわからない。
そう、これが私たちにとって非常に悩ましく、難しいとこです。
これは本人にとってもそうなんだと思います。
人生において、何が正しくて何が正しくないかは、今この瞬間にわかるものではありません。
目の前に選択があって、どちらを選ぶか、何を選ぶかだと思います。そして、その選択が正しいか正しくないかではなく、自分の選択が正しかったと思えるように努力する、学んでいくのみだと思います。自分で、自分の選択を正解にしていくのです。ここに関しては、コロンビア大学白熱教室(NHK Eテレ)シーナ・アイエンガー教授の「選択の科学」をぜひご覧になってください。非常に役に立つ考え方の講義です。
例えば、不登校になり、学校に行けなかった、行かなかったことが正しくなかったと思っていれば、それは正しくないんでしょう。でも、まなびばに来たことにより、人生の早い段階で自分に向き合い、どの様に生きて行きたいかを考え、自分の人生の主役として、自分の選択を信じ、また選択が正解だったと思えるように努力すること。挑戦して道を(未知)切り開いていくことが出来るようになることが大事で、私たちの生徒はそうであると信じていますし、現に本日卒業の三人は、自分の選択を正解にした、三人です。
そして、「やるのは本人であって、私たちではない」
イギリスのことわざで、よく教育論に持ち出されるのが
You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.
私たちが出来ることはそう多くはありません。本日卒業の三人も、頑張ったのは本人で私たちではありません。もちろんサポートは目いっぱいしたつもりですが。
そう、教育って、『共育』なんだと思います。まなびばおきなわは、教えている意識は非常に少ないです。『一緒に学んでいる』 が一番正しい。これは子育てをしたお父さん、お母さんは実感してらっしゃるんじゃないですか?我々はとても多くのことを子どもたちから学んでいます。そして、これは「ピアエデュケーション」とも通じる考え方だと思います。
この『共育』という言葉は、今ちょうど桜坂劇場でやっているサムライフの原作者、長岡さんが提唱している言葉です。長岡さんは、長野にある侍学園というフリースクールの理事長で、私たちは直接親交があります。全国のフリースクールの中で、今一番注目を浴びている学校でしょう。侍学園自体が認定NPO法人です。まなびばが見習うべきことがたくさんある学校です。
ここで少し、フリースクールを取り巻く現状について触れておきたいと思います。詳細の一部は、今年度、昨年度と、琉球大学の学生さんが、卒論として沖縄のフリースクールについて調べた論文がありますので、参照してください。
昔に比べると、フリースクールという言葉自体はかなり市民権を持ちました。ただ、一般の学校とは程遠い、あくまでも一般の学校のサポート、おまけ的な扱いです。幸いなことに、文科省の提言を受けて、フリースクールに関しての予算が付きましたし、フリースクールの出席を、在籍学校の出席としてくれます。まなびばで言うと、定期テストもまなびばで受けることが出来ます。しかしながら、公教育とは認められていないため、行政の援助を受けて運営出来ないので、どこのフリースクールの運営も厳しいものです。
まなびばも、問い合わせはかなりの数に上りますが、学費を理由に断念する方も多く、非常に悩ましいです。実際、我々2人のお給料もきちんと出ず、子どもたちと新しいことをするにも予算的に厳しいものがあるので、今年中にNPO法人化して、企業や行政の援助を受け、一人でも多くの子どもが通えるようにしたいと思っております。
さて、最後にある記事をご紹介しながら、まとめにしたいと思います。
いばや通信 坂爪圭吾氏のブログ 参照
http://ibaya.hatenablog.com/entry/2015/04/25/113118
この記事の走る→学ぶに換えてみてください。
そして、まなびばおきなわは、子どもたちにとっての、この記事に出てくる高橋尚子選手のようでありたいと思っています。
『まなびばおきなわ』 がやりたいことは、学ぶことの楽しさを伝えることであり、競争ではなく、比べることではなく、人生の主役として、いかに生きるかを考えてもらうことであり、しんどいけれど、自分に向き合い、
昨日の私より今日の私の方が素敵
と思ってもらうことであり、寄り添って歩くことであり、崖から落っこちそうになったら手を引くことであり、共に学ぶことです。
来年度も引き続き頑張って参りますので、変わらずの叱咤激励、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。これにて私の総括を終えたいと思います。ありがとうございました。